秋田市は冬が間近にせまってきてます。
明日は雪が降るでしょう、という予報でした。
いつもこの頃になると僕が思い出すのが、高村光太郎という詩人の「冬が来た」という詩です。
冬が来た
きつぱりと冬が来た
八つ手の白い花も消え
公孫樹の木も箒になつた
きりきりともみ込むやうな冬が来た
人にいやがられる冬
草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た
冬よ
僕に来い、僕に来い
僕は冬の力、冬は僕の餌食だ
しみ透れ、つきぬけ
火事を出せ、雪で埋めろ
刃物のやうな冬が来た
最初の「きつぱりと冬が来た」という表現が、秋田の冬にぴったり当てはまるように思います。
もう一つ高村光太郎の冬の詩に、「冬の子供」というの詩があります。
冬の子供
まつかな頬ぺたと、
まつかな耳と、
まつかな唇と、
まつかなまるい小さい手と。
みんなまるまる着物をきて、
まつしろな霜の朝、
かたいガラス張の空気を割るやうに、
飛んでくる五六人の子供。
小さな蒸気汽罐のやうに、
みんなほつほと白い煙をはきながら、
あとからも、あとからも、
魔術のやうに、地面から湧いて
横にさす朝日の中を
飛んで来る幾百人の子供。
男の子も、女の子も、
なにか珍しい国語で
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